煩悩寺はいつも大変です
 
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【2007.05.03 Thursday 】 author : スポンサードリンク
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ハウルの動く城(ネタばれ注意!)
見てきましたー
みなさんの周りには「ハウルの動く城、すごくおもしろかった!」と言い切る人がどれくらいいます?
うちの周りには一人だけでした
残りは「微妙」「おもしろくなかった」などなど
それでも宮崎アニメって理由で見る価値はあるだろうと行ってきました

まず、自分の感想を・・・

「微妙w」

宮崎アニメに期待するほどの面白さじゃないって感じかなー
いや、面白いが、物語を引っ張る力が不足している


以下考察


まず、思ったことは「少女漫画?」です
ハウルがまるで王子様(実際お城の主ではあるんだが・・・見た目もやることも!つーかナンパ)で、夢見る乙女にありがちなパターンで登場するのです
その時点で「少女漫画の王道」として見ることにしました
王道を(つまり古典を古典として)笑い、王道を(古典を(ry)楽しむべき作品なのであろうと

確かにそういう面も多いです
「好きな子にキスをしてもらったから呪いが解けたのじゃ」とか「この花畑をプレゼントしよう」だとか
少女漫画としてみると、王道とも言える部分はとても多い
だけど、女の子の夢だけじゃなくて、男の子の夢も考えないといけない気がする

ハウルの動く城は、城というより家サイズです
おもちゃ箱のような「男の子の夢」のような・・・といったらわかるだろうか
そこに住んでいるのは「王子様」なんかじゃないんだ、大切なおもちゃ箱に家族も欲しがっている「男の子」が住んでいるんです


主人公はソフィーじゃない、ハウルだと思う
なので、これは「少女漫画」な作品ではなく「男の子の夢」な作品だと思っている


ナウシカ、ラピュタ、もののけのような作品を
「背景として争いがあり、そこで純真な心をもった少年少女が活躍する」という大雑把なくくりをするならば
ハウルもおそらくそれに入る、背景としての戦争、それに否応無く巻き込まれていく主人公たち

トトロ、千と千尋、などは、ある意味最初から「強い人たち」が出てくる上の3つで違って、ダメな部分も多い主人公が成長したりする話だよな
ハウルはそういう作品でもあるんだよね

なのでより難しくなっている
作り手からすれば、純粋に仕事が増えるわけだからね
その増えた仕事を消化しきれたかどうかと言うところで、うちはハウルは物足りないと感じるね


細かいところを突っ込んでいくからさらにネタばれ増えますよー

まず、メンタリティがどうなっているのか、それを意識できていないと「ハァ(;゚Д゚)?」ってなる部分が多い

まず、ソフィーが老婆に変えられてしまった後、すぐに「老婆のメンタリティ」に
なってしまうんだ
たとえば「年寄りになると口がうまくなるねぇ」「年寄りのいいところは失うものがないところだねぇ」
年月を重ねたのと同じものだと、そう解釈していいのか?とまずひっかかる
「年を取ると歩くのも大変だ」 とその直前に言っているのに

それでいて、ソフィーは恋する乙女でもある
その場その場のメンタリティは、ダイレクトに姿が変化して表現されているが
「魂が若い状態になっているから、姿も若くなる」という、魂→姿の順番はなっとくがいく、だって少女漫画だしw
だけど、経験をしていないはずの老婆のメンタリティを「姿が老婆になったから、老婆のメンタリティを手に入れた」という、姿→魂の順番がなぁ・・・
ひっかかると思うよ

まず、表現として足りていない部分はここ
姿の変化ででメンタリティの変動は表現している
だけど、その準備段階がちょっと寂しいな


メンタリティということでは、ハウルについてはちゃんと描かれている
登場は王子様だった
だけど「美しくなければ生きていけない」の台詞あたりから「あれれ?」と思わせておいて
ハウルの自室でそのメンタリティが十分に表現されている
「これは全部魔女避けのお守りなんだ」と説明があるが、あれは全部「子供のおもちゃ」だ
ゆりかごの上にぶら下がっているようなものから、なんだかよくわからない怪しいものまで
まさしく「男の子の夢 おもちゃ箱の世界」だ
ここでハウルはソフィーの手を取り「いかないで」というんだが、違和感無く受け入れられる
風邪を引いた子供が、母親に甘える姿そのものだから
ハウルのメンタリティは「子供」であると、表現されているから

ちなみにうちはここからキムタクの声に聞こえるようになったw
王子様の仮面をつけてる状態では、キムタクってわかってても、キムタクの声には聞こえてなかったからねw

そのあとのハウルはおこちゃま全開
本当は若い女性だと知っているくせに、ソフィーを母親代わりにしたてあげ、それに甘えてゆく
「こんなおっかないところ、一人ではこれるもんか」など、開き直った(?)のか、ソフィーにべったり甘えんぼちゃんにw


ここまでに、「少女漫画」から「男の子の夢」の話に切り替えておかないとおかしなことになるw
ハウルは王子様じゃないんだ、まだ親離れしていない子供
そのメンタリティであるならば、そして実際そう振舞うのならば
少女漫画の幻想ではなく、甘えんぼな男の子の幻想を追ってストーリーに乗っていこう
そして、実際に話はハウルが夢をかなえ、成長してゆく


小さな男の子が画用紙いっぱいに不気味な(笑)お城の絵を書いて、母親に見せている姿を想像してみる
「こんな動くお城があるんだ、この扉はいろんなところにつながってるの、でね、でね、ここには友達と家来と・・・んーっとね・・・・」
家来であり、身を分けた親友であるカルシファーはもういる
だったら次は・・・好きな女の子が欲しいよなw
でも、男の子はマザコンだから、母親もこの自慢のお城に入れてあげてもいいよって思ってるんだw

(ハウルとマルクルは同一視してもいいと思う
キレイなお嫁さんをもらえるのはハウルであり、母親に甘えることができるのはマルクルの年代だよな
どちらも満たしたいならば、「男の子は二人になる」のがいいのではないか?
「男の子」はハウルとしてかっこいい男性になり、彼女を作ると同時に
マルクルとして、母親に甘えたり、母親の役に立ったりして喜ぶ、という風にも解釈できるが
これはどちらかというと・・・「男の子の夢」ではなく「作者の夢」を想像してることになるかもしれないけどね)

ハウルにとっては、ソフィーは優しいおばあちゃんでもあり、おかあさんでもあり、気になるあの子でもある
そんな「家族のある家」ってのがハウルの夢なんじゃないかな、と思う


「ある日突然、王子様にプロポーズされる」という女の子の夢と
「ある日突然、ボクのお城にお姫様がやってくる」という男の子の夢


男の子は夢を見つけて、かなえるんだよ
「守りたいものができたから」
なんて言っちゃってるしねw



以上がうちのハウルを見て感じた、裏に流れていそうな思想



そして以下突っ込み


戦争に巻き込まれる主人公たち
そこにそれでもかっこいいと思える部分があるとするならば
「もののけ」のエボシのような、筋のとおった理由を背負って戦っている人の存在だろう
ただたんに「間違っている!」と言えばすむような話ではつまらない
ナウシカもそうだ、人と森はなぜ戦っているのか、それを間違っているって誰が言えるのか(言えるから主人公なんだけどなw)

ハウルにおいて、戦争について語れる人物はサリマン
権力も、力も、知識もある人物だと描かれている(と思う)
彼女の主義がわからないんだ、そこが実に痛い

人が飛空挺で空を飛び、空から火薬をぶちまけれるような世界観でありながら
「町外れは魔法使いの領域」であるような世界
そのような世界で、魔法使いにして宮廷でも権力をもつ人間というものは想像しにくい
魔法使いの地位向上を祈っているのか?魔法使いと科学の融合を狙っているのか?それとも魔法使いは制御されるべきだと考えているのか?
おそらく、制御、というのが一番近いのだろうと思うが、それもはっきりしていない
想像しずらいところなのにフォローがない

それでいて、サリバンはラストでこんなことを言うんだ
「このようなしょうが無い戦争はすぐ止めてしまいましょう」とな
止めさせる力もあるはずなのになぜ?しょうもないと思っていてなぜ続けた?
明らかに説明不足で、(意地が悪いって事くらいしか?w)キャラクターがわからない
サリバンに関しては完全にマイナス点です


荒野の魔女
実に重要な位置に座っている
まさしく魔女、という姿を体現したり、本当の年長者としての落ち着きを見せたり、ボケ老人っぽいことをしたりw
しかしな、階段を上るシーンとかは、画面のこちらの人間の笑いを取れるシーンのはずだ
もののけでいうならば、アシタカが怪我をした男を背負って歩いていると、コダマがいっぱい現れる
その中に、アシタカのまねをしてオンブしてるコダマがいてるよね、あのシーンのように客席が笑っていいところだと思うんだが・・・
おまえ!きもいよ!w
汗とかかきすぎw


カブは圧倒的ジェントルマンだね!
おまえかっこいいよ!
とか思ってたんだけど・・・王子様はいただけないw
いきなりそういうお約束がくるかぁ?

「君は魔力が強すぎる」とハウルに言われていたカカシ
最後、棒に乗って帰っていくところを見るに、隣の国の王子様も魔法を使えるみたいだが・・・カカシにされたってのは呪いだから、敵国であるところの魔法使いにかけられたと見るべきだろう
・・・ってことは?
サリマーン!ヽ(`Д´)ノ


カルシファーはいいキャラだった、彼のおかげでストーリーとしてでなく、アミューズメントとして、映画として、成り立っていると思う
「俺が死ぬとハウルも死ぬんだぜ?」の台詞が多すぎたことのみ減点
契約について匂わせるのは、一度で十分だ
それ以外は満点に近かったんだけどねー


ソフィーは難しいキャラだと思う
それはメンタリティが一定じゃないというのがもっとも大きい
「あなたを愛してるから!」と言った次の瞬間には老婆になっている
恋する乙女は、寝ても冷めてもいとしい王子様のことしか考えちゃダメだぜ

その前の段階で「優しいお母さん(もしくはおばあちゃん)」な役割を持たされているのがつらいところだね
ハウルの・・・男の子の夢を形にしたときに出てきた弊害だろう
乙女というキャラ一本で貫けないのがソフィーの弱みだ



あああー、なんかもっと言いたいことはあるんだけど、すでにかなりの長文になったので今日はこれまで!




【2005.02.03 Thursday 02:18】 author : りるむらいむ
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